- 羽毛枕にはダニがつきやすい?
- 羽根枕のダニ対策、どうすればいい?
ふわふわと優しい寝心地で人気の羽毛枕や羽根枕。
しかし自然の素材を使用している為、「ダニがわくのでは?」という悩みもつきものです。
でも対策は必要だから、わかりやすく解説していくわね。
寝具ソムリエ資格と睡眠・寝具インストラクターの資格を保有している『まくらの女神様』。
この記事ではまくらの専門家である女神様が、羽毛枕と羽根枕のダニ対策について解説します。
あなたの羽毛枕・羽根枕のダニ対策に関する悩みを、解消する手助けとなれば幸いです。
- 羽毛枕がダニに強い理由
- 羽毛枕のダニを駆除する方法
- 羽毛枕のダニを予防する為のお手入れ
羽毛枕と羽根枕の違いは羽毛(ダウン)の含有率です。
- 羽毛枕|ダウン51%以上
- 羽根枕|ダウン50%以下
ダニ対策に関してはどちらも同じなので、
この記事では羽根枕と羽毛枕をまとめて『羽毛枕』とさせて頂きます。
ご了承ください。
Contents
羽毛枕はダニに強い!
水鳥の羽根を使用している羽毛枕。
自然の素材であるため、「虫がわくのでは?」「ダニがつきやすそう」と不安になりますよね。
しかし、実は羽毛枕はダニに強い特徴を持っています。
本当なの?
まずは羽毛枕がダニに強い理由について、説明するわ。
羽毛枕がダニに強い理由
羽毛枕がダニに強い理由は2つあります。
- 除塵→洗浄→乾燥の工程を踏んで作られる為
- 高密度に織られた側生地を使用している為
ひとつずつ、見ていきましょう。
除塵・洗浄・乾燥の工程を踏んで作られる為
羽毛枕に使われる羽毛は、除塵・洗浄・乾燥の工程を経て枕に詰められます。
- 除塵
ホコリなどの不純物を取り除く。 - 洗浄
清浄度(*)が500mmを超えるまで徹底洗浄。 - 乾燥
高熱でしっかり乾燥。
*清浄度とは、洗浄後の羽毛に付いている汚れを水に溶かした時の透明度のことです。
水をガラス筒(透視度計)に入れ、底の印が見える度合いを確認します。
(引用元:河田フェザー)
上記3つの工程に加え、乾燥の後、羽毛を冷ましてから再度ゴミを取り除く『冷却除塵』を行うメーカーもあります。
そうすることで、羽毛に混入していた虫やダニ、その卵は取り除かれ、雑菌は死滅するのよ。
高密度に織られた側生地を使用している為
羽毛が飛び出すのを防ぐ為、羽毛枕には高密度に織られた側生地が使用されています。
(引用元:じぶんまくらオンラインショップ)
さらに、羽毛製品の生地には多くの場合、スチームをあてながら鉄のローラーで圧力をかけて織り目をつぶす『ダウンプルーフ加工』がなされています。
以上のことから、ダニが羽毛枕の内部に侵入して繁殖することはないのです。
羽毛枕はダニに強いって信じてもらえたかしら?
安価な羽毛枕には注意が必要
羽毛枕がダニに強い理由はお伝えした通りですが、安い粗悪品においては、一部ダニの心配が残るのが現状です。
というのも、安さを求めるあまり、羽毛の洗浄が不十分だったり、低品質な生地を側生地として使用していたりするからです。
じゃあどうやって選べば良いの?
羽毛製品を消費者が安心して購入できるよう、羽毛の品質基準を定め、メーカーを厳しくチェックする機関。
何事もそうですが、値段だけで選ぶのではなく、品質を良く見て選ぶと安心です。
購入を考えている羽毛枕がダニに強いかどうか分からない場合は、買う前に問い合わせてみるのもいいですね。
表面にはダニがつく
枕の表面にはフケや垢、髪の毛などが付着するので、それらを餌にダニが寄ってきます。
ダニに強い羽毛枕ですが、やはりダニ対策は必要です。
じゃあ次は羽毛枕のダニ対策について、説明していくわ。
羽毛枕のダニ対策
ダニの性質
確実にダニを駆除・予防するためには、ダニの性質を知る必要があります。
【えさ】
- フケや垢
- 髪の毛
- カビ
- 食べかす 等
【繁殖条件】
- 温度:25~30℃
- 湿度:60~80%
ダニは高温多湿を好みますが、温度が低くても活動が鈍るだけで死ぬわけではありません。
最近は加湿器などで冬でも湿度が高めに保たれることも多く、ダニは一年中家の中に存在することがほとんどです。
そんな中、フケや垢が付着し、寝汗によって湿度もキープされ、さらに体温であたたかくなる枕は、ダニにとって家の中でも最高の居場所といえます。
【温度】
- 50℃以上:20分以上で死滅
- 60℃以上:瞬時に死滅
【湿度】
- 55%以下で死滅
また、これらの条件をもとにダニを駆除した後、その死骸を取り除く事も大切です。
なぜなら、ダニの死骸やフンがアレルギーを引き起こす原因になるからです。
- 洗えるものは水洗いする。
- 掃除機をかける。
これを忘れないようにね。
ダニを『駆除』する方法
ではまず、すでにいるダニを駆除することから始めましょう。
羽毛枕のダニを駆除する方法は4つです。
- 布団乾燥機をかける
- 衣類乾燥機の使用
- ダニ取りシート
- クリーニング
順番に見ていきましょう。
布団乾燥機をかける
布団乾燥機を使えば、50℃以上を20分以上維持できて、ダニが死滅します。
ダニ駆除モードなど、50℃以上の設定が可能な布団乾燥機を使用して下さい。
【1】敷布団の真ん中に枕を置いて、掛け布団をかぶせる。
(引用元:三菱電機)
【2】布団乾燥機をかける。
50℃以上を20分以上キープ!
【3】掃除機でダニの死骸やフンを取り除く。
吸引力は中くらいで。
あまり強いと生地が傷む。
また、枕をしっかり乾燥させる為のまくら乾燥袋というものもあります。
枕だけでなくぬいぐるみやクッションなどにも使えるので、ダニ対策のために一枚持っておくと便利です。
衣類乾燥機の使用
50℃以上を20分以上維持するために、衣類乾燥機を使う方法もあります。
- ご自宅の衣類乾燥機が枕対応かを確認
枕非対応の乾燥機の場合は、故障を招く恐れがあるので使用できません。 - 枕カバーを外す。
外したカバーは洗濯する。 - 洗濯表示を確認
タンブル乾燥禁止のマークがある時は、乾燥機の使用はできません。タンブル乾燥の使用が可能(上限温度80℃) 低温でのタンブル乾燥の使用が可能(上限温度60℃) タンブル乾燥禁止 (※タンブル乾燥・・・ドラムで回転させながら温風で乾かすタイプの乾燥)
- 洗濯ネットに入れる。
万が一枕が破れたとき、中身が飛び出して乾燥機が故障するのを防ぐ為。 - 乾燥機にかける。
50℃以上を20分以上維持。 - 冷めたら表面に掃除機をかける。
ダニの死骸やフンを取り除く為。
コインランドリーの乾燥機を使う場合も、手順は先ほどご紹介したものと同じですが、ひとつ注意点があります。
枕の洗濯・乾燥を禁止しているコインランドリーもあります。
きちんと確認せずに使用して、万が一機械が故障してしまった場合、
莫大な修理費用を請求される事も!
トラブルを避ける為にも、枕OKかどうかを必ず事前に確認して下さい。
ダニ取りシート
羽毛枕のダニ対策のひとつに、ダニ取りシートの使用があります。
ダニ対策グッズにはスプレーや燻煙剤など色々ありますが、おすすめはダニ取りシートです。
だからより安全性が高く、おまけに手間も少ないダニ取りシートがおすすめなのよ。
燻煙剤は効果が高く即効性もありますが、どの商品ページを見ても注意事項がずらりと並んでおり、かなりの手間がかかります。
スプレーは燻煙剤ほどの手間はかかりませんが、ダニ駆除が可能なスプレーは注意事項が盛り沢山で、枕に使用するには若干不安が残ります。
その点、ダニ取りシートは枕に薬剤をかけないので安心ですし、設置した後は放置して捨てるだけなので手間も全くかかりません。
- 枕に薬剤をかけないですむ。
- 設置した後は放置して捨てるだけなので簡単。
- 赤ちゃんやペットがいるご家庭でも安心して使用できる。
枕元に設置すると、寝具についているダニが全て頭の方に寄ってきてしまいます。
シート式ならどれでもいいよね。
ん~、どれが安いかな?
ダニ取りシートは、ものによっては効果が薄いものもあるから、注意が必要よ。
これじゃ意味ないね。。
どうやったら効果のあるダニ取りシートを見分けられるの?
メーカーとは関係のない、第三者的な立場の機関が行う検査の事。
『自社調べ』などのメーカー自身が行う検査よりも信頼できるため、商品を選ぶときの目安になります。
第三者機関の検査を受けているダニ取りシートの中で、コスパが良くおすすめなのは『ダニピタ君』です。
ダニ対策にお悩みの方は、ぜひ一度おためしください♪
>>【2022年最新版】おすすめダニ取りシートランキングBEST3!【すべて効果検査済】
クリーニング
羽毛枕のダニ対策で、最も手間なく確実なのは、クリーニングに出すことです。
- 羽毛枕を取り扱っているか。
お店によっては羽毛枕を受け付けていない事もあります。 - 水洗いしてくれるか。
ドライクリーニングより水洗いの方が、羽毛に優しい為。
枕のクリーニングについては過去に説明しているので、より詳しく知りたい方はそちらもご覧下さい。
>>枕はクリーニングに出せる?費用・クリーニング店の選び方・出す前の注意点を解説!
ただ洗濯して干すだけではダニは死なず、洗濯中も繊維にしがみついて残ってしまいます。
ダニを駆除する為には50℃以上を20分以上維持、もしくは60℃以上の環境が必要です。
クリーニングなら、お湯で洗ったり高温で乾かしたりしてくれるので、ダニは死滅し、死骸やフンも綺麗に取り除けます。
>>羽毛枕(羽根枕)は洗濯できる?洗い方と注意点、洗えない時の対処法まで徹底解説!
ダニを『予防』する方法
しっかりダニを駆除できたら、次は再びダニが付く事のないよう、予防する方法を見ていきましょう。
羽毛枕のダニを予防する方法は3つです。
- 陰干しする
- 枕カバーの使用
- 髪を乾かして寝る
ひとつずつ、解説していきます。
陰干しする
ダニを予防するのに、陰干しが有効です。
羽毛は吸湿発散性に優れ、蒸れにくいのが特徴ですが、朝起きてすぐに押入れにしまったりベッドに置きっぱなしでは、徐々に湿気がたまります。
ダニは湿度55%以下では生きられないので、如何に枕に湿気をためないかが重要です。
そこで、枕の湿気を飛ばす為に、風通しの良い日陰で陰干ししましょう。
ダニ予防の為には、枕にたまった湿気をリセットする事が大切ですが、3日以上干さないでいると、たまった湿気を飛ばしきるのが難しくなります。
出来れば毎日、少なくとも3日に1回は、陰干ししましょう。
羽毛枕を長持ちさせる為には、日陰に干した方がいいのよ。
雨続きで3日以上干せなかったなど、どうしても日なたに干したい時は、片面1時間ずつくらいの短時間に押さえましょう。
天日干しする場合、側生地に直接紫外線を当てないよう、枕カバーをつけたまま干すか、もしくはまくら干し袋を使うのがおすすめです。
枕を干す際、紫外線から守るだけでなく、ホコリや花粉もシャットアウト。
それでいて風通しは確保されており、フックがついているので枕特有の干しにくさもありません。
羽毛枕の湿気を飛ばすのに、ひとつ持っておくと便利です。
枕についたフケや髪の毛は、ダニの餌になります。
干した後は枕に掃除機をかけて、ダニの餌がない状態を保ちましょう。
掃除機の強さは中くらいで十分です。
あまり強く吸うと側生地が傷むのでご注意下さい。
- 風通しの良い場所で陰干しする。
紫外線に長時間あてると側生地が傷む。 - 頻度は出来れば毎日、少なくとも3日に1回。
たまった湿気を飛ばしきる為。 - 天日干しする場合は、片面1時間ずつ。
枕干し袋などを使って保護すると安心。 - 干した後の枕に掃除機をかける。
掃除機の強さは中くらいで。
枕カバーの使用
羽毛枕を汚れから守る為に、枕カバーを使用しましょう。
カバーの洗濯もちゃんとしてるかしら?
毎日頭をのせている枕のカバーは、フケや垢、汗やよだれで想像以上に汚れています。
汚れたままで放っておくと、それらをエサにダニが繁殖してしまいます。
週に2~3回は洗濯するようにしましょう。
枕カバーの洗濯についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
>>枕カバーの取り替え頻度ってどのくらい?洗濯頻度が少ないとどうなる?
>>枕カバーは、正しい洗い方で嫌な臭いとさようなら!洗濯ネットの必要性も熱弁!!
- 液体は通さず湿気は逃がす、防水透湿素材
- ホコリやダニもシャットアウト
(引用元:楽天)
髪を乾かして寝る
寝る前に髪の毛をしっかり乾かすのも、大切なダニ対策です。
枕は頭を乗せるものなので、髪の毛が濡れていると、その水分は枕に染みこんでしまいます。
特に夏は気温が高いので、枕が濡れるとダニも繁殖しやすくなります。
一年を通して、寝る前には髪の毛をしっかり乾かすことを習慣にしましょう!
枕以外の寝具もダニ対策を!
当然のことですが、羽毛枕のダニを駆除・予防しても、掛け布団や敷布団、マットレスにダニがいては意味がありません。
枕のダニ対策と同様に、他の寝具もしっかりダニ対策をしましょう。
布団乾燥機で日ごろから寝具が乾燥した状態を保ちつつ、それでも発生してしまったダニをダニ取りシート等でしっかり駆除していけば、快適な寝室を維持できます。
まとめ
今回は羽毛枕のダニ対策について解説しました。
ダニの駆除・予防の方法はお分かり頂けたでしょうか?
最後に重要な点をまとめておきます。
羽毛枕はダニに強い!
ただし、表面のダニ対策は必要。
【ダニの性質】
- フケや垢、髪の毛などをエサに繁殖
- 高温多湿を好む
- 50℃以上を20分以上維持で死滅
- 死骸やフンがアレルギーの原因になる
【ダニ駆除の方法】
- 布団乾燥機にかける→掃除機
- 衣類乾燥機を使う→掃除機
- ダニ取りシートの使用
- クリーニングに出す
【ダニ予防の方法】
- 3日に1度は陰干し
- 枕カバーをかける
- 髪の毛を乾かして寝る
枕以外の寝具のダニ対策も忘れずに!
しっかり実践して、快適な睡眠環境を手に入れてね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
どう対策したらいいのかな?