これは、昔々…でもない割と最近、
令和になってからのお話。
こんな不思議なことが起きるまで、一体何があったのでしょう…?
時は夕暮れ、ここはとある街はずれ。
1人の女性が全速力でママチャリを漕いで、家への道を疾走しておりました。
この女性は、ついさっきまで、町はずれの商店街で買い物をしておりました。
ところが、買うものをなかなか選べず迷っているうち、
いつの間にかこんな時間になっていたのでした。
彼女には、5歳になる1人娘がおりました。
今日はパパと2人でお留守番してくれていますが、そうはいっても早く帰ってあげないと。
最近は眠りが浅くて、なんだか睡眠不足。
おまけに肩こりもひどくて、肩が鉛のように重たく感じます。
そんな辛い心と体を支えてくれるのは、やっぱり娘ちゃんのかわいい笑顔。
まだまだ手はかかるし大変だけど、でもでもかわいくてたまりません。
ママチャリで疾走しつつも、
一瞬だけ目を閉じ、天を仰いで娘ちゃんのことを思い浮かべます。
家で待つ娘ちゃんの顔を思い浮かべると、自然と表情が緩んでにやけます。
そのにやけっぷりたるや、某クレヨン〇んちゃんのごとし。
こうして、目を閉じた時間は、1秒にも満たない時間でした。
ところが。
目を開けると……
こ、ここはどこ……?
見慣れた家路ではありません。
どういうわけか、周囲の景色は一変し、
ママチャリと共にポツンと森の中の1本道に立っておりました。
そしてその先には、誘われるような、不思議な光。
狐につままれたような気持ちで、恐る恐る進んでみると、そこは…
なんとそこは、世にも美しい、不思議な泉。
こんな不思議な場所があるなんて…
彼女は、しばしの間、泉の景色に見とれておりました。
すると……
「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボ……」
なんということでしょう。
泉の中から、何とも神秘的な女性が、姿を現したではありませんか!
そなたが落としたのは、この金のまくr
ま、まずは落ち着いて110番を……
私さあ、まあまあ尊い、聖なるタイプのヤツよ?
それをさあ、いきなり不審者扱いって、どういう了見よ?ん?
1回だけ大目に見てやるから、今度はちゃんと聞くんだよ?いいね?
いきなり泉から湧いて出てきた、謎の女神様。
しかし、言葉遣いは全然女神様っぽくありません。
唐突すぎる展開に目の前でドン引いている女性を差し置いて、
女神様は勝手に話を進めていきます。
この金の枕…?それとも、銀の枕…?
なるほど、冒頭の不思議な会話は、ここに繋がっていたのですね。
…しかし、彼女には、特に何か落とした記憶がありません。
というか、この泉に迷い込んで5秒くらいで、目の前の不審者女神様が湧いて出てきたのですから。
わかるでしょ?空気読めばわかるよね?ねえ?
ど、どこが女神様なの…もうただのチンピラや…
なんということでしょう。
女神様は、ただの腹黒のチンピラまがいだったのです。
それでは、改めて……
なんとなく安さだけを理由にそのへんでテキトーに選んだ、何の変哲もなければ特徴もない、
むしろ寝れば寝るだけあなたの体に負担をかけて、慢性的な不眠・肩こり・腰痛・手のしびれなどなど、
あなたの体をズタボロにしてるのに、あなた自身はそれに気付いてない、そんな枕……?
は、はい!なんかその、テキトーに選んで私をボロボロにしてる枕が、私の落としたやつです!
………しかし!!!!
は、はい!!なんでしょう!!??
あなたの体にも、毎日の生活のためにも、大変よろしくありません……
これはあなたにも、心当たりがあるのでは……?
ま、まあ確かに、それはそのとおりです、ね…
ムリヤリ答えさせられてる雰囲気が釈然としませんが、
とはいえ、これに関しては本当にそんな気がします。
ここのところずっと、朝起きると肩こりがひどいのです。
おまけに、なんだかよく眠れない。
夜中に何度か起きてしまうし、すごく眠りが浅いような気がする。
「どうしちゃったんだろう…ま、まさか、年のせい……?」
なんて考えて、でも現実を見ないようにして、
ときどき旦那さんに肩もんでもらったり、
Youtubeで見たストレッチを1日だけやってみたり…
で、その場しのぎで乗り切りつつ、
なんやかんやとそのまま問題をほったらかしにしてきたのが、正直なところ。
けど、それが一体……?
そんなあなたの悩みなんて、ちょちょいのちょーいで吹っ飛ばせるのです…!(ドヤァ)
なんで女神様にそんなことがわかるんですか…?
こうしてまくらの女神様として、あなたのような迷える女性に、最高の枕を提供しているのよ…!
い、意外なほど誠実な努力型…!
こうして、なんやかんやで女神様のことを信じるに至った彼女は、
なんやかんやでハイパーに理想の枕を手にしました。
こうして、日々の悩みから解放され、
旦那ちゃんと娘ちゃんと、幸せに暮らしたのでした。
この金の枕…?それとも、銀の枕…?